劉新華

中国天津人。1953年中国河北省河間市生まれ。日本京都芸術大学大学院卒業、文学修士、美術修士、美学博士。現在、天津大学工筆重彩画研究所所長、教授、博士課程指導教官；中国文部省現代工筆重彩画院院長、全国政協文史館花鳥画研究院副院長；国家画院工筆重彩研究センター主任、中国美術協会重彩画研究会副会長、中国工筆画学会専門家委員、中国美術協会会員。中国著名画家姜毅然、花鳥名家田世光画伯に師事、中国の伝統花鳥風景画芸術を深く研究してきました。日本留学期間、著名日本画家松尾敏男、加山又造、上村淳之画伯に師事。劉新華先生は伝統を吸収・継承した上で優雅で斬新な絵画スタイルを創出した。芸術審美上では、質感の重視と藝術コンセプションの相応・調和によってあっさりと静謐な感情を表現することで、独特な審美感情を表す新たな画風となった。中国画では千年近い水墨画の発展歴史には「墨分五色」を高く提唱し、文人画の色彩観念を長く、深く中国の絵画美術に影響を与えた。色彩の運用を重視する工筆重彩画は現近代には非主流的な状態で長く続いた。同じ時期、日本絵画界では大変激しい変革を起こった。明治維新以降、日本美術は西洋美術の影響を受け、伝統美術から現代美術と変化し、民族の固有な審美観から、東方の独特の感性を取り込むことで、現代日本画の審美観を確立した。中国画の線は伝統的な中国画の基礎である。対象の形態、質感、空間を表現するだけでなく、画家の主観的な思想、感情面や画面の構成、虚実関係を表現し、「気韻生動」の画境を辿り着くことが出来る。劉先生は線の運用面では独創性がある。蒋采苹先生は「彼は日本画の長所を取り入れ、また中国画の伝統的な線の表現を重視し、非常に貴重なものである」と評価された。東西文化の審美観が激しく衝突する現代の文化環境の中に、劉先生は伝統的な美学の線の表現を忘れず、また線に束縛されずに、新たな道を切り開いた方である。その作品が鑑賞者にとって長い歴史の深い香りを吟味するだけでなく、さらに、巧妙な表現方法で溢れる東方審美の藝術境界を画面に溶き込んで行く。作品「故郷の記憶』と『光』は線を隠す技を運用する代表作品である。画家吕凤子先生はこう言った。「絵を描く時、かならず熟練の線書き技が必要であるが、作品が完成すると、きっと線の技を見えなくなり、意味のある全体のイメージを表現できる。でないと、絵が線の技を自慢することになる（『中国画法研究』）」。劉先生はまさにこのことを極めて程よい方であり、きっと人々は彼の作品の心境、形而上の芸術作品の美を鑑賞することができる。更に作品を細かく見てみると、主体の輪郭線をかすかに現れ、これは「虚線」と言う；遠くに朦朧する部分は背景でありながら、「骨法用筆」の線を残し、留白ところにはいっそ線を描いている。これを「実線」と言う。線描は画面の虚と実を融合し、陰と陽を相応することによってその機能性をたっぷり発揮することになる。実写の画面は虚線で表現し、レンダリングで雰囲気をきわだたせる；虚所は実線で表し、画外の大音が響かせてくる。劉先生は日本で二十数年にかけて絵画を研究し、中国画の「内心の光」を審美観の主体とし、色彩の影響力の強調と、日本画のきめ細かな色彩を融合する作品を沢山創作した。その作品はきっとたくさんの人々を魅了させるでしょう！